第1章(3) あれれ家の健康が…

3.あれれ家の健康が…

私達は家の中で、毎日4人家族で約6リットルの水蒸気を出して生活しています。(洗濯・食事・お風呂・汗・呼吸など)

伝統的な自然素材で風通しの良い家は、この大量の水蒸気を室内から吸収し、排出していました。

直に素材に触れてきた、大工棟梁ほど呼吸(吸湿透湿)する素材一つ一つの扱いをよく知っています。

この『家の呼吸』を止めないように注意をはらい、本物がもつ人に優しい家造りをしてきたのです。

例えば、伝統家屋の壁は土、屋根は萱、畳は井草、柱や健具は木、障子に紙と全て湿気を吸って抜けてゆくものでした。

そして開口部が大きく風通しがいい間取りも基本でした。

ところが現代住宅は採算=効率重視となり、狂いが少なく加工しやすいと鉄や合板を多用します。

冷えにくく吸収する木に対し、鉄は非常に熱を伝えやすく冬は強烈に冷えるので室内から出る大量の水蒸気が壁に入り結露を起こします。

また、接着剤で貼り合わせている合板も非常に湿気に弱く、高温多湿の日本では、空気の通らない壁の中に湿気がこもり結露がおこり蒸れたり腐ったりしシロアリを呼ぶのです。

そこで、なんとも安易に壁の中に湿気が入らないようにと、ビニールを貼りはじめます。

30年ほど前から暖かくするにも一石二鳥と高気密高断熱を利用しました。

しかし、どこかで見たことがありますね。

そうですビニールハウスです。

その結果、たいへん湿気がこもりやすくなり室内、壁の中、家中で結露をおこします。

蒸れたり腐ったりシロアリが発生したりと傷みが非常に早くなり、地震への強さや家の寿命という『家の健康』が大きく損なわれています。

日本人が豊かになれないのは家の寿命の短さともいわれています。

世界で最古の木造建築は法隆寺(1300年)ですが日本の住宅の寿命は26年、いつしかスクラップ&ビルド大国となってしまいました。