第2章 深呼吸したくなる家のつくりかた
1.人・家・地球の健康を未来のこどもたちへ
『人の健康』快適で安全な室内環境『家の健康』地震に強く長寿命『地球の健康』冷暖房効率がよく省エネ、この三つの健康を同時に成り立たせるにはどうしたらいいのでしょうか?
諸エネが目的で始めた高気密化ですが空気が悪くなり換気扇を回せば熱を捨て、蒸れ腐れを早めてはどうにもなりません。
とはいえ、空気がよく家にも良いと昔の寒い家では、やはり省エネは計れません。
国の画一的な政策や量販店の現代住宅では矛盾してしまい解決できないのです。
そこで大工の棟梁は考えました。
まず日本には四季があり、寒暖の差が激しいので高温多湿の夏季は風通しよく、冬季は熱を抱えるために気密を高められないか?
『通期と断熱』のきりかえです。
例えば夏はTシャツで冬はセーターですね。
では具体的にどのように衣替えするのか?
家の衣類は壁です。
昔の日本家屋は柱がむき出しで絶えず外気に触れ、呼吸をしていました。
ところが現代の家は柱が壁の中にすっぽりと隠れ、呼吸ができません。
そこで壁の中に空気の道(通気層)をつくり、その空気の流れを制御すれば、冬温かく夏涼しく、蒸れ腐りのない家がつくれるのではと考えたのです。