深呼吸したくなる家 第1章

ー深呼吸したくなる家が出来た理由ー

 1.半世紀の大きな家づくりの変化

50年以前の日本の家は全て自然素材でできていました。

素材はそれぞれ癖があり加工や取り付けには腕のいい職人が必要でした。

その地域の気候風土を知り、自然素材の扱いを知る大工棟梁・工務店が代々その技術を受け継ぎ伝え手仕事で家をつくっておりました。

若い職人たちは、高温多湿の日本の気候を知る先輩から『家は夏向きに造れ』と言われ育ちます。

風通しを良くして湿気対策することが家を丈夫に長持ちさせる秘訣だからです。

しかし日本は大量生産大量消費時代を迎え、自然素材を手作りするので追いつかなくなりはじめました。

そこに50年前から住宅の量販店が誕生します。

『量より質』で採算を重視するため、自然素材に代わり職人の手間を省ける、新素材の開発を優先していきます。

新素材は主に、接着剤で貼り合わせた合板やビニールなどの石油化学製品です。

癖がなく加工や取り付けは楽になりました。

この頃から量販店は工場でつくる同じ格好をした規格住宅を現代住宅と名づけ住宅展示場もでき始めます。

大変な勢いで家づくりが変化した半世紀、住宅産業も大きくなり量産化・合理化が加速します。

衣食住このような経済発展と共に地球も暖まり始めました。

地球の温暖化が深刻な状況です。

地球の健康』を考えなければなりません。